【土地売却の基礎知識】
売却の流れや税金、高く売るポイントを解説

2024.04.30
土地売却を検討する際、ほとんどの人にとって土地売却は初の経験となるため、その手順やポイント、注意点がわからないことも多いのではないでしょうか。そこで本記事では、土地売却の基本的な手順、かかる費用や税金、そして土地を高く売るためのポイントを解説します。

土地売却の流れ

土地売却は一般的に、「売却前の準備」、「売却中の販売活動」、「売却後の引き渡し」の流れで行います。

「土地を売る方法がわからない」、「土地を売りたいけど、家があるため手続きが面倒」など、土地売却は多くの手間や知識が必要と思われがちですが、基本的な知識があれば、問題なく進められます。
また、専門の不動産会社に仲介をお願いすれば、面倒な手続きの負担も少なくなるため、スムーズに進めることが可能です。

以下では、具体的な内容をご紹介します。

事前準備を行う

まずは、現在所有している土地を売るための情報の整理を行います。具体的には、「希望条件の整理」、「相場の確認」、「境界線の確認」の3つの情報を整理しましょう。

相場については、土地には4つの価格があり、それぞれ個人で調べることができます。一般的には、固定資産税台帳に載っている評価額÷0.8で公示価格が出せ、相場の目安になります。ただし土地には値段があってないようなものであり、公示価格はあくまで目安になるため注意が必要です。
場合によっては、その土地を2倍の値段を出しても買いたい人がいるため、どの不動産屋にお願いするかで、その土地を評価している買主が変わってくる可能性もあります。更地なのか古家なのか、相続した土地なのかもポイントになるため、現状整理を行うことが高く売ることにつながります。

土地の境界線については、どの範囲までが自身の土地であるのか明示しておくことが重要です。境界線がはっきりすることで、隣地とのトラブルを防ぎ、スムーズな引き渡しにもつながります。境界線の明示には、「確定測量図」の用意をしましょう。

また、土地を売却する際には、登記簿謄本の所有者が売主の名義に変更されているかを確認しておきましょう。自身で買った場合には名義変更されていますが、相続で引き継いだ場合は、名義変更がされていないケースがあるためです。

必要書類の準備

必要な情報を整理した後は、売却に必要な書類の準備を行います。確認しておきたいのは以下5つです。

身分証明書
実印
印鑑証明書
● 住民票
登記権利書(登記識別情報)

また、相続した土地を売却する場合は、不動産登記簿(登記事項説明書)も必要になります。

不動産会社に査定を依頼

売却に必要な準備ができ次第、不動産会社に土地の査定を依頼します。土地の査定には、簡易査定と訪問査定と2種類あります。

●簡易査定(机上査定)

売却する土地のデータだけを基に、査定価格を算出する方法です。PCから情報を入力するだけで査定でき、1日から2日程度で結果がわかります。過去の事例を参考に算出するため、売却価格と大きく離れることはないですが、実際の価格とは異なるケースもあるため、売却の意思決定前に概算を知りたいといったケースにはおすすめです。

訪問査定

実際に不動産会社が土地へ訪問し、査定価格を算出する方法です。土地の形状や境界線、周辺環境や土地の状態など詳細に調査し、結果がわかるまで1週間程度かかります。

査定のポイントとして、最初から1つの不動産会社に絞って査定を行わないことが重要です。
不動産会社には得意、不得意があり、少なからず価格に影響します。さまざまな不動産会社に査定を行いながら、自身で相場を確認することが重要です。また、不動産会社が親身に対応してくれるのか、取り扱いは豊富であるかも事前に確認しておくと、後々スムーズに取引が進められます。

販売活動の開始

査定を行い、売り出し価格を決定した後に、販売活動を開始します。不動産会社によってチラシの配布や、店頭やネット上での情報掲載を行うことで、買主を募ります。

売主としては、見学の際に土地の見栄えが良くなるよう、土地のメンテナンスを適宜行っておきましょう。

売買契約・引き渡し

買主が決定し価格の折り合いがついた後、売買契約を結びます。
「売買契約書」や「重要事項説明書」などの必要書類は不動産が用意を行いますが、契約当日の前に、内容に間違いがないか確認をしておきましょう。

契約当日は、売主と買主が契約書に記名・捺印し、買主から売主へ手付金を支払います。そして、手付金の残りの金額を土地の引き渡し日に支払うことで、取引が完了になります。

土地売却にかかる税金・費用

以降では、土地売却にかかる費用や課せられる税金についてご紹介します。これらの費用を把握したうえで、土地を売却するかの検討を行いましょう。

売却にかかる費用

売却には、以下4つの費用がかかります。

● 解体費用
売却する土地に建物が建っている場合の取り壊しにかかる費用。建物によって異なるが150~200万円程度。売主と買主どちらが支払うか事前に相談する必要がある。

● 測量費用
土地の確定測量図、地積測量図がない場合、作成を土地家屋調査士に依頼する費用。40~50万円程度。

● 仲介手数料
依頼した不動産会社に支払う手数料。取引物件価格×3%(業者によって異なるが3%以内)+6万円+消費税(取引価格が400万円以上の場合)がかかる。

● 繰り上げ返済手数料
売却時にローンが残っていた場合、一括返済する際に金融機関に支払う手数料。数万円程度。

売却にかかる税金

売却には、以下3つの税金が課せられます。

● 印紙税
売買契約書に貼る印紙にかかる税。数万円程度(土地価格による)。

● 登録免許税
ローンの抵当権を抹消するときに支払う税。不動産1件につき1,000円。

譲渡所得に課せられる税金
土地の売却における利益に支払う所得税と住民税。土地の売却益の20~40%程度。
譲渡所得の区分には、長期譲渡所得・短期譲渡所得の2つがある。長期譲渡所得は5年を超えて所有していた土地や建物を売却する場合の所得のことで、税率は20.315%。一方で短期譲渡所得は、5年以下の所有であり、税率は39.63%。
さらに、売却した土地を購入した価格が記されているものがあると税金を安く抑えられる可能性がある。所得税は売却益にかかる税金のため、先祖が1,000万円で購入した土地を1,000万円で売る場合は、売却益が0円になるため所得税がかからないケースもある。

土地売却のパターンと注意点

前章では、土地売却における共通事項をご紹介しましたが、土地売却はさまざまなパターンがあり、かかる手間や流れが異なります。以降では、土地売却のパターンを4つご紹介します。

①建物が建っている土地を売却する

建物付きのまま売却する場合・更地にして売却する場合です。昨今は、新築を購入するよりも、古家を購入してリフォームするニーズが増えているため、建物付きでの売却を検討するのがおすすめです。ただし更地にして売却するよりも売却までの時間がかかるため、売却期間に余裕を持っておくことが必要です。住宅に限らず、倉庫や工場の場合も同様です。

②相続した土地を売却する

相続した土地を売却するケースです。この場合には、名義変更や、戸籍謄本、除籍謄本、住民票などの確認や準備が重要です。

また、相続した土地を売却する際には、相続した土地を売却する際に利用できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を押さえておきましょう。これは相続している財産を一定期間内に譲渡した際、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できる制度です。以下の条件を満たすと、特例で税金を軽減できます。

相続や遺贈により財産を取得した者であること
その財産を取得した人に相続税が課税されていること
その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

③共有の名義の土地を売却する

複数人で共有している土地を売却するケースです。この場合は、持分割合を確認する必要があり、共有者同士で売買をするのが一般的です。ただし、自分が持っている土地のみの売却や分筆する方法もあります。

以下記事では、共有持分の売却についてご紹介しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。

④農地や山林を売却する

農地や山林の売却は、一般的な土地よりも売却に手間がかかります。
農地を売却する際には、勝手に売却できないため、農地が市街化区域か調整区域かを確認する必要があります。調整区域の場合は市に確認し、土地の所在地が規制緩和されていれば売却が可能です。また、基本的に農振地域内の農地を購入できるのは農家のみとなっています。

さらに、謄本で農業相続の期間内外を確認する必要があります。期間内であれば相続税を一括返済しないと売却できないため、期間が過ぎてから売却に進みましょう。

土地を高く売るコツ

土地を高く売るためには、以下4つのポイントを押さえておきましょう。

土地相場を調べる
土地を適正価格で売るためにも、売主自身がしっかりと土地の相場価格を把握しておきましょう。そのためには、自身で相場を調べたり、複数の不動産会社に査定をしてもらったりすることが重要です。

● 売るタイミングを見計らう
土地を売り出すタイミングや期間も重要です。スケジュールに余裕を持ち、適正価格で売るための販売活動を行いましょう。

● 売却のアピールポイントを整理する
土地のセールスポイントを整理し、アピールできるようにすることも重要です。自身で整理するだけではなく、不動産会社の担当と相談しながら整理を行うことが大切です。

土地をきれいな状態にする
不動産会社の査定や買主の見学の際に、良い印象を持ってもらえるように、土地のメンテナンスも重要です。更地や空き家は、雑草が生える、建物が老朽化する、ごみを捨てられるなどの恐れがあるため注意が必要です。

また、売り出してから一定期間経過しても土地が売れない場合は、価格の設定の見直しや、リフォームを行うといった対策を行いましょう。

土地売却は不動産会社への依頼がおすすめ

本記事では、土地売却の流れやポイントをご紹介しましたが、多くの土地や建物は宅建業法により業者に仲介してもらわないと売れない傾向にあります。特に市街化区域内の土地は、不動産屋を通さないと売却するのが困難です。そのため、土地を確実に高値で売却するなら信頼できる不動産会社を探し、依頼をすることが重要です。

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このコラムを書いたライター

編集者
正和工業マーケティングチーム
正和工業は、20,000件以上の施工実績を持つ総合建築企業です。
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