土地売却の相談はどこにする?
内容別に専門家や窓口を解説

2025.04.15
土地の売却は、内容や目的に応じて適切な専門家に相談することでスムーズに進めることができます。しかし、どの専門家や窓口に相談すればいいかわからないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、土地売却の相談先を内容別に紹介し、各相談先のメリットや選び方などを解説します。
土地の売却を検討しており、相談先を知りたい方はぜひご覧ください。

土地売却の相談はまず「不動産会社」へ

土地売却を検討する際には、不動産会社への相談が最も一般的です。
不動産会社には、土地の売り手と買い手をつなぐ役割を持つ仲介会社とデベロッパー(分譲を扱う会社)がありますが、売却する際には仲介会社に相談します。

【相談できる内容】
不動産会社では、主に以下のような内容を相談できます。

・土地の査定: 専門的な知識と市場データに基づき、土地の適正な価格を算出します。査定価格は、売却価格を決定する際の重要な指標となります。

・販売活動: 広告掲載、オープンハウスの開催、購入希望者との交渉など、売却活動全般をサポートします。

・契約手続き: 売買契約書の作成、重要事項の説明、契約締結など、法的な手続きを代行します。

・税金や法律に関する相談: 不動産売却に関わる税金や法律に関する疑問がある場合、必要に応じて税理士や弁護士などの専門家を紹介します。

・アフターフォロー: 売却後の税務申告や、住み替えに関する相談などのアフターフォローを受けられます。

【メリット】
不動産会社は一般的に成果報酬型であるため、売買の契約が成立するまでは費用がかかりません。
また、土地の売却に関する知識や経験を活かした提案を受けられ、市場の相場に基づいた価格の査定が可能です。

【費用】
不動産会社への相談自体は無料ですが、売却が成立した場合には仲介手数料が発生します。
手数料は「売買代金×3%+6万円+消費税」が目安です。

【選び方】
売却予定の物件種類に対する成約実績が豊富な会社を選ぶことがおすすめです。提案内容やアフターサービスが充実しているか、担当者の対応が誠実でコミュニケーションがスムーズにとれるか、といった点も確認したいポイントです。
インターネット上の口コミや評価を参考にできるほか、実際に売却を依頼したことがある知人がいれば直接聞いてみるとリアルな評価を知ることができます。

土地売却をご検討中の方は以下からご相談ください。

売却希望の方お問合せ

法人での土地売却の相談は「銀行」へ

法人で土地売却を行いたい場合、まず銀行に相談するケースが多いです。ただし、不動産会社に相談する方が高い価格で売却できる可能性があります。特に借入の担保として土地を査定する際の価格は、固定資産税価格を標準にしており不動産会社の査定額と大きく異なるため、不動産会社にも併せて相談するのが望ましいでしょう。

【相談できる内容】
銀行では、主に以下のような内容を相談できます。

・土地の調査: 土地の適切な価値を算出します。

・売却先の探索: 幅広い顧客を保有しているため、そのネットワークを活かし取引先を探索します。

・契約手続き: 売買契約書の作成、重要事項の説明、契約締結など、法的な手続きを代行します。

・税金や法律に関する相談: 不動産売却に関わる税金や法律に関する疑問がある場合、必要に応じて税理士や弁護士などの専門家を紹介します。

・売却後の資金運用や事業戦略:銀行は財務アドバイザリーサービスを提供している場合が多く、企業の財務状態に基づき、売却資金の最適な運用方法について相談できることがあります。

【メリット】
銀行は資金調達・運用の専門家が揃っているため、財務戦略に基づいた提案を受けられます。また、土地にローンが残っている場合、売却で得た資金でローンを完済するか、残金の処理をどうするかを専門家に相談できます。

【費用】
不動産会社と同様、相談自体は無料ですが、売却が成立した場合には仲介手数料が発生します。
手数料は「売買代金×3%+6万円+消費税」が目安です。

【選び方】
取引のある銀行か、信頼できる銀行に相談するのがおすすめです。また、過去の取引実績やサポート体制も確認しておきましょう。

土地の価値・価格の相談は「不動産鑑定士」へ

不動産鑑定士は、法律に基づき土地や建物・土地の適正な価値を評価する専門家です。
不動産の評価額を知りたい場合には、一般的にこちらに相談することになります。

【相談できる内容】
不動産鑑定士には、主に以下のような内容を相談できます。

・不動産の鑑定評価: 不動産鑑定評価基準に基づき、客観的な価格を算出します。

・相続・贈与に関する相談: 相続税評価や遺産分割における不動産の評価を行います。

・不動産売買に関する相談: 適正な売買価格を知りたい場合に相談できます。

・不動産投資に関する相談: 投資判断に必要な不動産の価値評価や将来性についてアドバイスします。

・税務署や裁判所への提出資料作成: 不動産鑑定評価書は公的な証明力を持つため、税務申告や訴訟の際に利用できます。

・簡易鑑定: 費用を抑えたい場合は、簡易的な調査報告書を作成してもらうことも可能です

【メリット】
専門的かつ客観的な評価を受けられ、適正な価格で不動産取引を行えることがメリットです。相続や離婚時の財産分与など、不動産評価をめぐる争いが起こることも予防できます。
また、信頼性の高い不動産鑑定評価書を作成してもらうことができ、公的機関において証拠として扱うことができます。

【費用】
依頼内容や不動産の種類、評価額によって費用は異なりますが、不動産鑑定料として20万円~40万円程度かかるのが一般的です。評価額が高くなるほど、鑑定料も高額になる傾向があります。
なお、初回相談は無料としている事務所もありますが、30分あたり5,000円程度の相談料を設定している事務所もあります。

【選び方】
不動産鑑定士の資格を持っているか確認することが前提であり、その上で過去の鑑定実績や経験年数を確認し、実績や経験が豊富な鑑定士を選ぶことがおすすめです。
依頼する不動産の種類に精通しているか、鑑定をしてもらう地域に詳しいか、料金体系が明確であるかなども確認すべきポイントです。親身になって相談に乗ってくれる鑑定士であればなお良いでしょう。

以下の記事では、不動産査定について解説していますので、併せてご覧ください。

土地の測量や境界確定の相談は「土地家屋調査士」へ

土地家屋調査士は、土地の測量や境界の確定、不動産の表示に関する登記の専門家です。

【相談できる内容】
以下のような内容について相談できます。

・土地の測量: 現況測量、確定測量など、さまざまな測量を行います。

・境界確定: 隣接する土地の所有者との境界を確定します。

・分筆・合筆登記: 土地を分割する、複数の土地をまとめるなどの登記を行います。

・地目変更登記: 土地の用途が変わった場合に、登記簿の地目を変更します。

・建物表題登記: 建物を新築した場合に行う最初の登記です。

・地積更正登記: 登記簿の面積を実際の面積に修正します。

・図面作成: 登記に必要な各種図面を作成します。

【メリット】
土地家屋調査士は、測量に基づき正確な境界を確定し、現況に合わせた正確な登記を行ってくれるため、権利関係を明確にでき、将来の紛争を防止できます。
境界が明確になることで、安心して不動産取引を行えるようになります。

【費用】
土地家屋調査士への相談では、主に以下の費用がかかります。

・測量費用: 土地の面積や形状、測量の難易度によって異なり、15万円程度が目安です。面積が広くなるほど費用は高くなる傾向があります。

・境界確定費用: 隣接地の所有者との交渉の難易度によって異なり、1件あたり数万円~10万円程度が目安です。

・登記費用: 登記の種類によって異なり、登録免許税や司法書士への依頼費用などがかかります。5万円~10万円程度が相場です。

【選び方】
過去の測量・登記の実績を確認し、特に類似案件の経験が豊富であるか確認するようにしましょう。依頼内容に応じて、例えば境界問題に強いか、登記に強いかなど、得意分野を確認することもポイントです。
現況測量の作成、測量図の作成、隣地立会証明書の取得、越境物の確認、合意書の取得を行ってくれるかなど、柔軟で幅広い対応をとってくれる調査士・事務所であればなお良いでしょう。

土地の税金や確定申告の相談は「税理士」へ

税理士は税務の専門家であり、土地の税金や確定申告に関する相談ができます。

【相談できる内容】
具体的には、主に以下のような内容を相談できます。

・譲渡所得税の計算と申告: 土地を売却した際に発生する譲渡所得税の計算、節税対策、確定申告を行います。

・相続税・贈与税の相談: 相続や贈与によって取得した土地を売却する場合の、税務上の注意点や節税対策についてアドバイスします。

・税務調査の対応: 税務署から税務調査が入った際の対応をサポートします。

・節税対策: 土地の売却におけるさまざまな節税方法を提案します。

・確定申告: 確定申告書の作成や申告手続きを代行します。

・税務相談: その他、税金に関するさまざまな相談に応じます。

【メリット】
税理士に相談することで、煩雑な税務手続きを代行してもらえるため、時間と労力を節約できます。
税法に基づいた正確な申告をしてくれるため、税務署からの指摘リスクを減らすことができ、税務調査が入った場合でも、的確なアドバイスやサポートを受けられるため安心です。
専門家ならではの知識を活用し、節税効果を最大限に高められることもメリットです。

【費用】
税理士に相談する際の費用は、依頼内容や顧問契約の有無によって異なりますが、主に以下の費用がかかります。

・確定申告のみの依頼: 数万円~十数万円程度が相場です。

・税務顧問の契約料: 月額1万円~3万円程度が相場です。記帳代行の有無によって料金が変動します。

・相談料: 30分5,000円程度が相場ですが、初回相談無料の税理士もいます。

【選び方】
土地売却や不動産税務に詳しく、実績が豊富な税理士を選ぶようにしましょう。
節税効果を高めたい場合には、節税に関する知識やノウハウがあるかどうかも選ぶ際のポイントです。

以下の記事では、法人の土地売却にかかる税金について解説していますので、併せてご覧ください。

土地の登記の相談は「司法書士」へ

司法書士は土地の登記に関する専門家です。
土地売却の際には所有権移転登記が必要なほか、抵当権が残っている場合には事前に抹消する必要があり、そうした手続きを行う場合に相談します。

【相談できる内容】
主に以下の内容について相談できます。

・所有権移転登記: 土地の売買、贈与、相続などによる所有権移転登記の手続きを行います。

・抵当権抹消登記: 住宅ローンが残っている土地を売却する際の抵当権抹消登記を行います。

・住所変更登記: 登記簿上の住所と現住所が異なる場合に、住所変更登記を行います。

・相続登記: 相続による土地の名義変更を行います。

・その他登記: その他、さまざまな登記手続きを代行します。

【メリット】
司法書士に相談することで、登記申請書の作成をはじめとする面倒な書類作成や手続きを丸ごと依頼でき、手間を大きく減らすことができます。
法律の専門家であり、正確な手続きを進めてくれるため、後々のトラブルや訴訟のリスクを低減でき、登記に関する専門的なアドバイスを受けることで安心して取引を進められます。

【費用】
司法書士への依頼に伴う費用としては主に以下のものがあります。

・登記申請に伴う報酬: 登記の種類や難易度によって異なりますが、5万円程度が目安です。

・実費: 戸籍謄本などの書類取得費用、交通費などがかかります。

これらに加え、登記の種類や不動産の評価額に応じて課税される登録免許税も合わせて司法書士に支払うケースが一般的です。

【選び方】
不動産登記に強く、過去の実績や経験が豊富な司法書士を選ぶようにしましょう。
司法書士は日本司法書士会連合会のホームページから探すことができますが、不動産を売却する際には不動産会社や金融機関が紹介してくれることもあり、その場合は紹介された司法書士に依頼するのがベターです。

以下の記事では、所有権移転登記について解説していますので、併せてご覧ください。

土地売却でのトラブルの相談は「弁護士」へ

土地売却を行う際には、トラブルが発生するケースもあります。当事者間で解決することが難しい場合は、弁護士に相談することになります。

【相談できる内容】
弁護士には、土地売却に関連する以下のようなトラブルについて相談できます。

・売買契約のトラブル: 契約書の不備、契約不適合責任、瑕疵に関する争いなど。

・境界紛争: 売却したい土地と隣接する土地との境界線の争い。

・所有権紛争: 土地の所有権や名義をめぐる争い。

・賃貸借契約のトラブル: 家賃の未払い、立ち退きなど。

・不動産詐欺: 詐欺的な取引による損害賠償請求。

【メリット】
当事者間でのトラブル解決が難しい場合でも、法律の専門家である弁護士に相談することで、法的根拠に基づき依頼者の権利を守りながら、迅速かつ有利な解決を目指すことができます。
代理人として相手先と交渉してくれるため、本人が相手と直接対峙する必要がなく、心理的にも安心です。

【費用】
相談内容や事件の難易度によって異なりますが、主に以下の費用がかかります。

・相談料: 1時間あたり5,000円~1万円程度が相場です。初回相談を無料にしている事務所もあります。

・着手金: 事案の種類や経済的利益の額に応じて変わりますが、訴額の約2%~8%程度が相場です。

・報酬金: 成功報酬として、得られた経済的利益の4%~16%程度を支払う必要があります。

【選び方】
弁護士によって得意としている分野が異なるため、不動産トラブルに強く、実績や経験が豊富な弁護士を選ぶことがおすすめです。
一定以上の費用がかかるケースも少なくないため、料金体系が明確であるかも確認しましょう。

農地売却の相談は「行政書士」へ

農地を売却し住宅地に転用する場合には、農地転用の届出・許可が必要であり、行政書士はそうした煩雑な手続きを行ってくれます。

【相談できる内容】
行政書士には主に以下の内容を相談できます。

・農地転用許可申請: 農地を宅地などに転用するための許可申請です。

・農地法3条許可申請: 農地の売買、贈与、賃貸などを行う際の許可申請です。

・売買契約書の作成: 農地売買に関する契約書を作成します。

【メリット】
農地転用に関する許可申請手続きは煩雑ですが、司法書士が代行してくれることで手続きにかかる時間と労力を節約できます。
許可取得がスムーズに進むことで、売却を円滑に進めることができるのもメリットです。

【費用】
行政書士に依頼する場合、主に以下の費用がかかります。

・農地転用許可申請: 5万円~15万円程度(農地の種類や面積によって変動します)。

・農地転用届出(市街化区域の届出): 3万円~5万円程度。

・売買契約書作成: 1万円~5万円程度。

【選び方】
農地法や農地転用に関する専門知識があり、農地売却や転用の実績が豊富である行政書士を選ぶと良いでしょう。
日本行政書士会連合会のホームページから検索することもできます。

以下の記事では農地売却の手続きや税金について解説しています。

土地売却は正和工業のZEUS INBESTにご相談ください

土地を売却にする際には、価値の評価や境界の確定、税金関連の手続きなどやるべきことが多くあり、さまざまな法律や制度が複雑に絡み合うため、内容に応じて各分野の専門家に相談することが不可欠です。
専門家を上手に活用し、スムーズな土地売却を実現しましょう。

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このコラムを書いたライター

編集者
正和工業マーケティングチーム
正和工業は、20,000件以上の施工実績を持つ総合建築企業です。
培った技術力・ノウハウを活かし、不動産仲介サービス「ZEUS INBEST」を通して物件に関する情報提供から管理・リノベーションまでサポートいたします。
コラムにて物件売買に役立つ様々な情報を紹介しています。