工場を売却するには?
流れと押さえておくべき4つのステップを
わかりやすく解説

2025.12.23
工場を売却する際には、設備・機械の扱いや環境リスクへの対応など考慮すべき事項が多岐にわたるため、基本的な売却の流れやステップを押さえ、一つずつ着実に進めていくことが大切です。
本記事では、工場売却時に押さえておきたい流れや4つのステップ、注意すべきポイントを解説します。

工場売却は一般の不動産とは違う?

工場を売却する際には、一般的な不動産とは異なる点を押さえる必要があります。
工場売却特有の注意点は、主に以下の3つです。

・設備対応の明確化
生産ラインや機械の査定、残置・撤去の扱い、稼働保証の有無を明確にします。

・環境リスク・適合確認
工場には 土壌汚染・地下水汚染・排水・騒音などの環境リスク が伴います。
特に 土壌汚染は環境リスクの中でも重大な項目 のため、早期に確認する必要があります。併せて、各種許認可の適合状況も必ずチェックします。

複雑な書類の整備
固定資産台帳や検査報告書、許認可に関する書類などさまざまな種類があります。
書類が不足すると、売却交渉やその後の手続きがスムーズに進まない可能性があります。

専門家から適切なアドバイスを受けることで、これらの見落としを防ぎ、売却交渉や手続きを円滑に進めやすくなります。 
また、工場の売却を成功させるには、こうした注意点を押さえることに加え、売却の基本的な流れも把握しておくことが重要です。

工場売却時の基本的な流れ

工場売却時の基本的な流れは、「価格の査定・決定→媒介契約→売買契約→引渡し」です。

価格の査定・決定
まずは不動産の査定を依頼し、査定額(複数社の結果が望ましい)を参考に売却価格を決定します。査定には、過去の取引実績を基に金額を決める「机上査定」と、実際に物件を訪れて査定する「訪問査定」があります。

媒介契約
買い手を不動産会社が探す場合、媒介契約を締結する必要があります。
媒介契約には以下の3つの種類があります。

・一般媒介契約
複数の不動産会社に同時に依頼できる契約で、自分で買い手を見つけることも可能です。自由度が高い一方、各社の優先度が低くなる傾向があります。

・専任媒介契約
依頼できるのは1社のみですが、自分で見つけた買い手との取引もできる種類の契約です。不動産会社の熱心な売却活動が期待できます。

・専属専任媒介契約
依頼できるのは1社のみで、さらに自分で買い手を見つけてもその会社を経由する必要がありますが、手厚いサポートを受けられます。

いずれの場合でも、産業系物件の取扱実績がある仲介会社を選ぶことが重要です。

売買契約
買い手が見つかった後、売買契約を結びます。取引条件が記載された買付申込書を買い手が提出し、売主が受領のうえ内容に合意することで締結が完了します。
設備の残置・撤去、土壌汚染調査の結果、引渡し条件などを詳細に取り決めておきましょう。

物件の引渡し
契約書に記載されている引渡期日までに引渡しを行います。設備の稼働停止手続きや図面・許認可関連書類の引渡しなど、工場特有の確認作業も発生します。

それぞれの流れの詳細や注意点については以下の記事をご覧ください。

工場売却時に押さえておくべき 4つのステップ

工場売却時には、目的整理や査定、売却活動、契約・決済のステップを着実に進めていくことが重要です。

ステップ①:目的整理と準備

まずやるべきことは、売却目的の明確化です。事業縮小、資金化、相続対策など、目的によって売却の計画や時期・価格・条件設定等が大きく異なってきます。
次に、土地・建物・設備・環境リスクなどの事前調査を実施します。工場は土壌汚染をはじめとする専門的なリスクがあるため、早期の確認が必要です。
また、登記簿、境界確定資料、用途地域の確認資料、設備リスト、収支データなどの書類を事前に整理しておくことで、売却をスムーズに進められます。

ステップ②:査定と業者選定

次に査定と業者選定を行います。
工場は一般不動産と比べ売却事例が少なく、査定額にばらつきが出やすいため、複数(4~5社)の会社に査定を依頼するのが理想です。
続いて媒介契約を締結し、前述の一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の中から自社に適した種類を選択します。
業者選定では、工場売却の豊富な実績、設備や用途地域に関する専門知識、製造業の買い手ネットワークを有しているか、また秘密保持(NDA)に対応できるかが重要な判断基準になります。

ステップ③:売却活動と交渉

仲介会社のネットワークを活用して買い手を探します。工場は一般の不動産に比べ市場が限定的であるため、製造業や投資家など、売却先として適した買い手を意識したアプローチが必須です。
交渉では価格だけでなく、設備を残すか撤去するか(居抜きやスケルトンとするか)、引渡し時期をいつにするか、従業員の処遇をどうすべきかなど、考慮すべき条件が多岐にわたります。
また、独自の技術・設計図・製造ノウハウなどを持つ工場では機密情報が含まれるため、事前にNDAを締結することが一般的です。

ステップ④:契約・決済・引渡し

条件が固まった後、売買契約を締結します。場合によっては不動産売却だけでなく、事業譲渡やM&A(合併・買収)のスキームを検討することもあります。
決済では資金の授受と所有権移転登記を行い、必要な書類(登記識別情報通知書等)を整えます。引渡しでは、設備・備品の扱いを確定し、境界や物件の最終確認を行います。
取引を円滑に進めるためには、従業員の処遇、土壌汚染などの環境リスクへの対応(説明責任や負担の明確化)、引渡し後の保証など、引渡し後の対応まで意識することがポイントです。

注意すべきポイント・失敗しないためのコツ

工場の売却時には、以下の点に注意する必要があります。

・土壌汚染リスク
工場売却で問題となる環境リスクには、土壌汚染・地下水汚染・排水・騒音などがあります。中でも土壌汚染は、浄化費用が高額になりやすく、取引の可否にも影響するため、最も注意すべきリスクです。
特に、化学薬品・油脂・金属加工などの使用履歴がある工場では、土壌汚染が潜在的リスクとなります。売却後に汚染が発覚すると、浄化費用を売主が負担するケースも多いため、事前の土壌調査が必須です。必要に応じて浄化や封じ込めなどの対策を講じ、買い手に透明性のある説明を行うことで、価格交渉を有利に進めることができます。

・用途地域・建ぺい率・規制確認
工場のある土地が現行の用途地域に適合しているかは重要な要素です。既存不適格の場合や建築規制がある場合、買い手の利用計画に影響します。
建ぺい率・容積率、騒音・排水規制なども売却条件に影響するため、事前確認と開示が欠かせません。

・設備・機械の価値評価
設備を残したまま売る「居抜き」は、買い手が同じ業種の場合、初期投資を抑えられるメリットがあります。一方で、用途が限られ買い手が絞られるため、市場規模が小さくなるデメリットがあります。
設備の状態・汎用性・撤去費用なども踏まえて、どちらが有利かを判断しましょう

・税金・書類の整理
工場売却には、譲渡所得税、固定資産税、登録免許税、司法書士報酬など多くのコストが発生します。特に譲渡所得の税額は条件によって大きく変動するため、早い段階から税理士に相談しておくのが得策です。
また、登記関係、設備リスト、環境調査資料など必要書類が膨大になるため、スムーズな交渉につなげるには事前に整理しておく必要があります。

・信頼できるパートナーを選ぶ
工場は一般の住宅・オフィスよりも専門性が高いため、仲介を担う不動産会社やM&Aアドバイザーの選定は売却の成否を大きく左右する要素となります。工場売却の実績や買い手のネットワーク、環境リスクへの対応力などを確認し、経験豊富なパートナーを選ぶことがリスクを回避する上で重要です

工場の売却ならZEUS INBESTにお任せください

工場を売却する際には査定から契約、引渡しまでの基本的な流れを押さえ、設備の撤去の要否や引渡し時期の確認、移転登記、必要な書類の整理など、やるべきことを把握して一つずつ着実に手続きを進めていきましょう。
工場は物件特性・規制・環境リスクなど複雑な要素が多く、それらに適切に対応する必要があるため、専門的な知識や豊富な取引実績を持つ業者に仲介を依頼することがおすすめです。

不動産仲介サービスの「ZEUS INBEST」は、工場をはじめとする事業用不動産の高値売却をサポートします。総合建設業として長年実績を積み重ねており、多くの買い手企業様とのつながりがございます。売却前の物件に利便性・機能性などの付加価値を高めることで、物件価値を向上させることも可能です。

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このコラムを書いたライター

編集者
正和工業マーケティングチーム
正和工業は、20,000件以上の施工実績を持つ総合建築企業です。
培った技術力・ノウハウを活かし、不動産仲介サービス「ZEUS INBEST」を通して物件に関する情報提供から管理・リノベーションまでサポートいたします。
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